これは相談なのか、話を聴いて欲しいだけなのか

 

 男女のすれ違いの理由を説明するときに、よく紹介されるのが、
 「女は気持ちを聴いて欲しい(過程重視)/男は言うことを聞かせたい(結果重視)」問題です。
 
 私も、状況を訴える女の子に対して、頑張って意見を返しても聞き入れられず、最終的には、「あー、すっきりした!」で終わられ、疲れだけが残る青春時代を過ごしたので、何となくわかるような気もします。

 本当に男女で違いがあるのかは別にして、ソーシャルワーク的な視点では、単に話を聞くだけではなく、相手の状況を理解した上で最善と思われる提示をすることを目指します。その際の基本中の基本が、相手に“共感”の姿勢を伝えることです。情に流されてもいけません。
 
 話を冒頭に戻しますと、科学的にはハッキリとした根拠はないそうです。
 しかし、ここでは敢えて、男と女では考え方が違うとしてみましょう。この場合、例えば夫婦げんかの解決策は、「一方が聞き役(話し役)に徹する」になりませんか?
 確かに、その場を収めるには最も効果的でしょう。
 しかし、中長期的にはどちらかがストレスを抱え込み、突然取り返しのつかないことになるかも知れません。
 結局は、相手をひとりの「人」として見ずにいるうちは、根本的な解決には至らないと思います。
 
 喩えが長くなりましたが、目の前にある問題に対処しつつ、背後にある問題を相手に気付いてもらうことで根本的な解決を目指すことが、ソーシャルワークの理想形ではないでしょうか。
 実際には、妥協点探しに追われることになるのですが、自分の胸の中にだけでも理想を忘れずにいられるとよいと思います。

 ちなみに、「傾聴ボランティア」を誰でもできると思っている人がいますが、実際はかなりの技術や適性が要求されます。「傾聴」を自然にできる人は、神に選ばれし人ではないかと個人的には思います。もしそのような方が目の前にいらっしゃったら、どうぞ大切にしてください。

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