人は相談にお金を払うのか

 

 「相談」と言っても、内容は人それぞれ。相談する相手は、まず家族や友人などの親しい人、そこで解決しなければ専門家に、という人が多いと思います。最近は、自分でインターネットを使って解決を図る人も増えているのではないでしょうか。

 しかし、相談したらお金を払うのが当然と思う人はどれだけいるでしょう。私が事業として相談サービスをやろうとしたときに、そこが一番の悩みどころでした。役所に相談に行けば、お金はとられないのですから。

 では、世の中に相談にお金を払う人はいないのでしょうか。例えば、占い師さんにお金を払う、お賽銭をする、マスターやママさんに話を聞いて欲しくてお店に通う、、、などなどは、どうでしょう。実質的に相談にお金を払っていると考えられないでしょうか。

 私は以前、行政機関で在宅介護や生活困窮の相談業務を担当していたのですが、

 ①もっと早く来てくれればよかったのに。 

 ②え?そんなこと言われたの!?

 と思うことがよくありました。

 まず①について。日本人の美徳でもあるのでしょうが、困った事があっても我慢したり、恥ずかしさが先に来るため、なるべく身内だけで何とかしようとすることが背景にあるようでした。どこに行けばよいかわからなかったという話もよく聞きました。

 ②は、相談した相手が誤ったアドバイスをしているケースです。大抵、最初に相談をするのは自分が信頼している人ですから、助言も素直に聞く傾向にあります。また、公的立場の人や専門家に相談した場合、間違った助言をしても、一般の人はなかなか気付かないです。何となく信じてしまうのが普通ですし、自分が焦っていたりすれば尚更です。

 私の実感では、相談なんて誰でもできると思っている人は多いです。行政関係者の間でも、まだまだその傾向が強いと思います。

 しかし、出会いが人を変えることがあるように、最初の対応が人生を左右してしまうことがあることは、もっと意識されて欲しいです。

 「人は相談にお金を払うのか」の答えは、「払ってもいい相談にすることが先」に尽きると思います。おもてなしや専門性を高めていく方法もありますが、私の理想は、近所の神社とコンビニエンスストアが合わさったような相談サービスです。

 「なにそれ?意味わからん。」という声も聞こえてきそうですが、『ソーシャルワークいきるば』で少しでも実現できればと思います。

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